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防風林ナビチルホールとは>チルホールの使い方(作業編)
 作業目的にあわせて用意したチルホールと本体の固定や重量物を牽引するための各種資機材を用いて作業するための使用方法です。
・チルホール使用上の注意
 本ページで紹介しているチルホールの使用方法では、木の伐採作業時の使用方法を紹介しています。使用時の作業(牽引物の重量等)に合わせ、用いる資機材の種類。台付けする箇所の強度が変わり、誤ると重大な事故に繋がる恐れがあります。必ず付属の取扱説明書を熟読し、出来れば熟練者の教授を受けながら使用することをお勧めします。

・使用するウィンチについて
 チルホール等の代わりに他のウィンチを用いる場合、牽引出来る長さの制限に注意が必要です。
 特に、安価なハンドウィンチでは牽引距離が最大でも2メートル程度の製品が多いです。牽引作業等では一度牽引を開始すると牽引途中で作業を中断できないことが多くあります。
 また、遠距離で牽引する作業、ワイヤーなどの自重によるたわみにより、予想外に牽引距離が長くなって牽引距離の限界に達することもあります。
 説明書を今一度確認し、余裕をもった作業を行いましょう。

・過負荷状態について
 ウィンチの使用では過負荷の状態でも見た目では判断できません。このため、牽引物の重量やかかる荷重が不明な時には特に注意が必要です。
・チルホールの使用時
 牽引物の重量やかかる荷重が不明な時、使用するワイヤー等を全て性能の2倍以上(安全ピンが働く荷重以上)にしておきます。
・ハンドウィンチの使用時
 安全装置がなく過負荷状態でいきなり破綻等の故障となります。
 操作バーを片手で作業できる範囲に留め、両手をもって体重を込めないと動かない重たい状況になれば作業を断念します。
・この他の安全対策
 ウィンチ等の固定に過負荷状態を識別できるナイロンスリングを用いると、事故防止を図ることができます。

チルホールの使用方法

  • チルホール等の資機材
  • ・チルホール等の資機材
    ・チルホール T-7本体、7専用ワイヤーロープ20m
    ・ナイロンスリング ・台付け用ワイヤー ・玉かけ用ワイヤー ・スプレーグリス  など
     用いる資機材について詳しくは「チルホールの使い方(資機材編)」を参考にして下さい。
  • 台付けワイヤー
  • ・台付け作業1
     チルホール本体を固定するための台付けを行います。
     台付けワイヤーを十分な耐力を持つ箇所に掛けます。
     台付する箇所はチルホールの能力の2倍以上。又は牽引する物の2倍以上の耐力の箇所に行います。
  • 台付け作業
  • ・台付け作業2
     台付けワイヤーを木の根元を通します。台付けする場所は安全のため慎重に選ばなければなりません※1
     写真では樹木の根元に9ミリのワイヤー通し半掛けとしています。
  • アンカーフック
  • ・アンカーフック
     チルホールの台付け等に使用するアンカーフックです。
     アンカーフックはフックの脱落防止にセフティキャッチが付けれています。
  • セフティキャッチの解放
  • ・セフティキャッチの解放
     セフティキャッチは、キャッチの内側の金属板を内側に起こすことで簡単に解放されます。
  • 台付けワイヤーを固定
  • ・台付け作業3
     アンカーフックに台付けワイヤーをを通します。
     ワイヤーの脱落防止に必ずセフティキャッチでロックします。
  • 専用ワイヤーを用意
  • ・専用ワイヤーの用意1
     巻き取られた専用ワイヤーロープを広げます。
     ワイヤーは巻かれた束を転がすようにしてねじれ等が残らないように丁寧に広げます。
  • ワイヤーを広げる
  • ・専用ワイヤーの用意2
     ワイヤーは気長に転がしながら直線に伸ばします。
     標準で20mのためかなりの長さとなります。
  • ・ナイロンスリング等の用意
     牽引物にワイヤーのアンカーフックをかける箇所が無いとき、玉かけワイヤーやナイロンスリングを使用してアンカーフックをかけるための箇所を作ります。
  • ワイヤーフックの固定
  • ・ワイヤーフックの固定
     使用したナイロンスリングにワイヤーフックをかけ、脱落防止にセフティキャッチをかけます。
    ※ワイヤーフックをかける箇所がなく、牽引物にチルホール専用ワイヤーを通してフックで自らのワイヤーにかける方法(目通し)を行うと高価なチルホール専用ワイヤーを痛めるため、基本的に玉かけワイヤーをナイロンスリングを用います。
  • ワイヤーロープの固定
  • ・ワイヤーロープの固定
     チルホール本体に専用ワイヤーロープを通して牽引する準備を行います。
  • 解放レバー
  • ・解放レバーの操作
     チルホール上部の解放レバーをアンカーフック側に引いて歯止めの位置に固定します。
  • 専用ワイヤーを通す
  • ・専用ワイヤーを通す1
     専用ワイヤーをロープガイド(穴)から真っ直ぐ挿入します。
     ワイヤーロープが曲がっている場合、先端30cmは真っ直ぐに伸ばして通します。ワイヤーロープは無理に入れずに上下左右前後に動かし軽く入る位置を探して入れます。
  • チルホール専用ワイヤーを通す
  • ・専用ワイヤーを通す2
     専用ワイヤーがチルホール本体を通ってアンカーフックの根元から先端が出た状態です。
  • ワイヤーロープを調整する
  • ・ワイヤーロープを調整する
     チルホール本体を通したワイヤーロープを引き、ワイヤーロープにたるみが無くなる位置まで本体に対して真っ直ぐ引き出します。
     引き出したワイヤーロープは、伸ばして直線又はワイヤーロープリールに巻き取ります。
  • 解放レバーを戻す
  • ・解放レバーを戻す
     解放レバーを歯止めから外して元の位置に戻します。
  • チルホール本体の準備完了
  • ・チルホール本体の準備完了
     チルホール本体がアンカーフックにより台付け固定。
     牽引する専用ワイヤーが通り、チルホール本体の準備が完了しました。
  • パイプハンドル
  • ・専用のパイプハンドル
     チルホールの牽引操作を行う専用ハンドルです。
     パイプハンドルは牽引作業時のみ取り付け、本体から離れるときは必ず外します。
  • パイプハンドルの取付
  • ・パイプハンドルの取付
     パイプハンドルの先端の切込みと本体のレバーを突起を合わせて取り付けます。取付後、パイプハンドルを90度回してパイプハンドルが抜けないようにします。
     差し込んでいる本体レバーは前進レバーです。バックさせるときは上部の四角いレバーに差し込みます。
  • パイプハンドルを伸ばす
  • ・パイプハンドルを伸ばす
     パイプハンドルは伸縮式です。
     パイプハンドルを伸ばし、ロックピンにより伸ばした状態で固定します。
  • 牽引作業開始
  • ・牽引作業開始
     前進レバーを前後に操作し牽引作業を行います。
     レバーは大きくゆっくり動かします。牽引されるワイヤーは数センチづつゆっくり通ります。
     使用する機種では、レバー1往復の操作で6㎝牽引出来ます。
  • チルホールの牽引作業
  • ・チルホールの牽引作業
     牽引作業によりワイヤーロープが張られチルホール本体が浮き上がり牽引しています。
     この状態で牽引物、ワイヤーロープ、台付した箇所に非常に大きい力が加わっています。牽引後は取り付けた時の逆の手順で取外しを行います。※2
  • チルホールのバック操作
  • ・チルホールのバック操作
     牽引作業により加えられて力を緩める時などはパイプハンドルをバックレバーに差し込み操作します。
※1 台付けする場所について
 チルホールを台付けする場所は、チルホールの牽引能力の2倍以上の耐力。又は、牽引する力の2倍以上の耐力が必要です。
 耐力が満たない場所に台付けを行い作業を行うと、単に牽引できないだけでなく、大変な危険が伴います。

※2 取外作業について
  チルホール本体及びワイヤーロープの取外しでは、ワイヤーロープによる力でチルホール本体が浮き上がっている状態にあるとき、見た目以上に大きな力が加わっているため危険です。
 必ずワイヤーロープをチルホールのバック操作により緩め、チルホール本体が地面についた状態で取外しを行います。

 チルホールを実際の作業で用いている様子は、木の伐採方法内で木び倒木方向を変える方法として紹介しています。詳しくは、木の伐採方法 > チルホールを使用した伐採方法(抜倒方向を変えて伐採する方法) へ

 カテゴリートップ:チルホールとは

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