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防風林ナビ木を枯らせる方法>木の根の除去方法
 伐採や枯らせた後に残る切株や木の根は抜根作業により除去することが出来ます。抜根作業では地上に見えている切株以上に大きく根が広がっているため、抜くには大きな労力が必要となりウインチやジャッキなどを使用して除去を行います。
切株・木の根っこの処分方法
 伐採の後に残る切り株や根は、完全に枯らせることで徐々に朽ちてなくなります。しかし、切株等の大きさによっては完全に朽ちて無くなるまで10年以上かかり、長期に渡り切株が残ります。
 短期で無くすためには抜根作業により、抜いて除去するしかありません。
 なお、切株等は脇芽が生えて生きていると朽ちません。朽ちさせるためには完全に枯らせる必要があります。根が枯れない場合、除草剤を使用することで枯らせることが出来ます。詳しくは、「木の根を枯らせる方法」へ。

・木の根を抜く方法(抜根の方法)
・木を伐採する
 枝や幹を切断し、根を含んた重心が吊り上げのワイヤーをかける位置より低くなるよう重量を軽減します。ワイヤーを掛ける箇所より高い位置に重心があると危険なため作業できません。
・根を枯らせる
 根を枯らして年数が経過するほど根が腐り抜根し易くなります。また、根が枯れていると弾力が無くなることでハンマーで叩いたときに切断し易くなります。細い木であれば根を枯らさなくても抜根作業ができます。
 当ページでは樹齢約30年。根元の直径が約30cm程の大きな木のため、枯らして約6年経過した後に抜根作業を行っています。
・切株の周囲を掘り起こす
 根を切断しながら周りを掘り、切断できない太い根は露出させます。
・ウインチ等で吊り上げてテンション(負荷)をかける
 地上から油圧ジャッキでの押し上げ。上からチェーンブロック等で吊るなどして負荷をかけます。
・根を切断する
 吊り上げを阻害している根を切断します。
・根を乾かし付着した土を落とす
 抜いて直ぐの根は多量の土が付着しています。数日放置し、乾いてからハンマーで叩くと土を落とすことができます。
・適当な大きさ切断し処分する
 付着した土を落としてあれば、適当な大きさに切断することで可燃ごみとして処分することができます。

・主な使用資機材
・除草剤
・チェンソー
・両手ハンマー 8kg
・スコップ(剣スコ)
・ノコギリ
・チェーンブロック
・玉掛けワイヤー
・三脚(単管パイプ3本にタコマン三脚ヘッドを組合せた物)
 →詳しくは「単管パイプ三脚による吊り上げ装置」へ

木の根を抜く方法(抜根の方法)

  • 根を枯らせる資機材
  • ・根を枯らせる資機材
    ・除草剤
    ・除草剤を塗る刷毛
    ・チェンソー
     根を抜くために伐採し、枯らせることで抜根作業の下準備として使用します。
  • 根を抜く資機材
  • ・根を抜く資機材
    ・両手ハンマー8kg
    ・スコップ(剣スコ)
    ・ノコギリ
    ・チェーンブロック
    ・玉掛けワイヤー
    ・三脚
     根を切断し、吊り上げて抜根する作業に使用します。
  • 根を抜くための伐採
  • ・根を抜くための伐採
     抜根したい木の幹を伐採します。
     抜根作業では玉掛けワイヤーを掛けるため幹の高さを残した方が作業し易くなります。但し、ワイヤーをかける箇所より重心が下となるように注意します。
  • 根を枯らせる
  • ・根を枯らせる
     広がった根の抵抗を弱くするため、伐採した幹の切断面に除草剤を塗り根まで枯らせます。
     抜根作業のため幹の高さを残すと、除草剤を使用しないと根まで枯れません。
     根が枯れない場合、追加でドリルで穴をあけて根を枯らせます。詳しくは、「木の根を枯らせる方法」へ。
  • 根の周りを掘る
  • ・抜根作業の開始

     根が枯れた後、抜根作業を行います。本作業では木が大きいため枯らして約6年後に作業を行っています。
    ・根の周りを掘る
     スコップ(剣スコ)を使い切株の周りを掘ります。掘る際、可能な限り根を切断します。切断できない太い根は露出させます。
  • 三脚とチェーンブロックの設置
  • ・三脚とチェーンブロックの設置
     吊り上げようの三脚とチェーンブロックを切株の上になるように立てます。
     写真のように幹を残している場合は中心を幹から少しずらす※1。根元まで切ってる場合には切株の真上に中心がくるように設置します。
     三脚は単管パイプ3本とタコマン三脚ヘッドを組合せた物です。詳しくは「単管パイプ三脚による吊り上げ装置」へ
  • 玉掛けワイヤーの巻付け
  • ・玉掛けワイヤーの巻付け
     玉掛けワイヤーを切り株に巻付けて固定しチェーンブロックのフックに掛けます。
     切株が短いとき、切株の下まで掘ってワイヤーを下を通します。
  • 吊り上げテンションをかける
  • ・吊り上げテンションをかける
     チェーンブロックで引き上げ、テンションを強くかけます。
     テンションを掛けると根により抵抗がある箇所が判ります。
  • 根の切断
  • ・根の切断
     吊り上げに抵抗がある太い根を切断します。切断ではノコギリやハンマーを使用します。根は土が付着してとノコギリで切断し難いです。写真では両手ハンマーで太い根を叩き切っています。
  • 抜根した根
  • ・抜根した根
     吊り上げにより残った根を切断し、抜き終わった切株です。
  • 土を落とす
  • ・土を落とす
     土が乾いてら両手ハンマーで叩くと付着した土を落とすことが出来ます。土を落とした後、焼却処分や切断して燃えるゴミなどとして処分します。
     1か月ほど放置すると木自体も乾き軽くなります。
  • 抜根した根の大きさ
  • ・抜根した根の大きさ
     抜根した根は樹齢約30年の梨の木。幹の直径が根元付近で約30㎝。
     根が大きく広がっているため、枯らして約6年経過した後に抜根しました。
     手作業での抜根では、これくらいの大きさが限界かと思います。※2
※1三脚・チェーンブロックと切株の中心位置について
 吊り上げ作業を行う際、三脚に取付けられたとチェーンブロックの吊り上げフックは吊り上げ対象物の中心に位置することが基本です。しかし、切株に幹を残すと吊り上げ作業時にフックやチェーンが残った幹に干渉することがあります。干渉するとチェーンの動作不良やフックの変形など吊り上げ作業に障害起きます。幹に干渉しないよう吊り上げワイヤーを長くするか、中心位置を少しずらして幹と干渉しないようにします。

※2手作業での限界の大きいについて
 抜根する切株が大きくチェーンブロックをかけても動かなかった場合、根の方向を確認して分割して作業することが出来ます。
 分割しての作業では、根元を掘って大きな根の位置を確認して切株を斧やチェンソーで縦に分割(半分や4等分など)して吊り上げます。大きな切株でも分割することで大きな根が1~2本程度となれば比較的容易に持ち上げることが出来ます。

抜根作業での注意
 紹介した作業では、樹齢約30年の梨の木で幹の直径が根元付近で約30㎝と太く、根も大きく広がっているために枯らしてから6年経過してから作業を行っています。
 細い木(直径5㎝程度)であれば枯らして直ぐ(枯らさなくても)作業を行うことが出来ます。直径10cmを超えた辺りから抜根作業はかなり大変になります。
 細い木の抜根作業であっても、非常に大きな力が必要となります。
 チェーンブロック使用時、非常に大きな力が加わっていてもテンション(負荷)の強さは見た目では判断し難くいです。予想より弱くて倒れる。強すぎて根を切断した際に跳ね上がる。重心が悪く切株が反転する。など、予定にない動きをすることがあります。
 巻き込まれると重大な事故となるため、常に安全な距離を保ち作業を行います。

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