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防風林ナビ木の伐採方法重心の傾きと異なる方向に伐採する方法(応用編)>伐採方向を重心と反対側に倒木させる方法
 伐採する樹木の重心が大きく傾く時、重心方向に逆らって反対側に面する方向に倒木させる時、チルホール等のウインチ(以下、チルホール等)を複数個用いての倒木方向を抑制する控えワイヤーの作用を相互に働かせ、倒木方向への引きワイヤー働きで倒木させる複雑な作業が必要となります。
 また、幹や枝が複雑に絡み合い、見た目で重心の傾きが判断できないような巨木の伐採作業でも、同様の方法で安全に倒木させます。
・主な方法
1台目のチルホール等による牽引による倒木方向の抑制(控えワイヤー①) ⇒ 2台目のチルホール等による牽引による倒木方向の絞込み(控えワイヤー②) ⇒ 受け口を入れる ⇒追い口を入れる。 ⇒ 3台目のチルホール等による倒木方向への牽引による引き倒し(引きワイヤー)

・重要事項
 重心が大きく傾く大木を単純に反対方向に牽引して伐採作業を行っても、倒木時のバランスが不安定となり倒木方向が定まらず大変危険な作業となります。
 これを防ぐため、倒木方向を挟み込むように2方向から倒木方向を抑制するための牽引を行い、倒木方向を絞り込むことが重要となります。

・主な使用資機材
 ・チェンソー ・チルホール等3台 ・梯子 ・ロープ(ワイヤーロープ)3台 等  

伐採方向を重心と反対側に倒木させる方法

  • 木の重心による倒木方向
  • ・木の重心による倒木方向
     木の重心では右側に倒れます。
     これに対して反対方向となる左側に倒木させます。
  • 牽引による倒木方向の抑制
  • ・牽引による倒木方向の抑制 ①
     1台目のチルホール等を牽引して、倒木方向を抑制します。(控えワイヤー①)
  • 牽引による倒木方向の抑制
  • ・倒木可能範囲と倒木させる方向

     倒木可能範囲は牽引することで、牽引する方向を中心に180度の半円に限られます。
     倒木させる方向は、重心方向の傾きに対して90度。かつ、牽引により限定された半円の中となります。

  • 牽引による倒木方向の抑制
  • ・牽引による倒木方向の抑制 ②
     2台目のチルホール等を、1台目のチルホール等の牽引方向と「倒木させたい方向」を挟んで対象となる位置で牽引し、倒木方向を更に抑制します。(控えワイヤー②)
     これにより、伐採木が倒木する個所は、2台のチルホールの作用により倒木可能範囲が重なる範囲に絞られます。
  • 倒木方向への牽引
  • ・チェンソーによる切込
     チェンソーを使用し、受け口と追い口を入れます。

    ・倒木方向への牽引
     3台目のチルホール等で牽引し、重心の傾きによる倒木する力を振り切り、倒木させたい方向へ引き倒します。(引きワイヤー)
・牽引する本数について
 牽引本数を3本で行う方法は、間違った方向に絶対に倒れない安全対策の為に用いています。倒木可能範囲が狭い範囲に限られていないときには、適時牽引本数を減らして作業を行います。

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