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防風林ナビ木を枯らせる方法>木を枯らす方法(巻き枯らし方法)
 「巻き枯らし」は樹皮と形成層を剥ぐ(環状剥皮)により薬剤などを使用せずに簡単な作業で木を枯らせることが出来ます。環状剥皮を行うことで養水分を遮断しすることで木が枯れますが、完全に枯れるまで1~2年の期間が必要となります。なお、枯れる原理は樹種により異なります。詳しくは「環状剥皮とは」へ。
・巻き枯らし(表皮を剥ぐ方法)の方法
・巻き枯らし(表皮を剥ぐ方法)
木の養分が流れる表皮を幹に一周。幅20~30cm程度捲り養分を立つことで枯らせる方法。枯れるまでに6カ月~1年程度。常緑樹の場合、葉が落ちるまで1年~2年程度かかります。
 低い位置で根本まで表皮を剥がすと樹種よっては根まで枯らせることができます。
 表皮を剥がす作業は、4~8月頃に作業すると木が水吸って表皮を剥がし易く容易に行えます。巻き枯らしは環状剥皮と呼ばれる方法です。詳しくは「環状剥皮とは」へ。

・使用機材(表皮を剥ぐ方法)
 ・エンジン式チェンソー(ノコギリでも可能)
 ・両手ハンマー(金槌、又はマイナスドライバーでも可能)
 ・保護具(チェンソーで無ければ不要)

巻き枯らしの方法

  • 巻き枯らしの使用機材
  • ・使用する資機材
    ・エンジン式チェンソー(ノコギリで可能)
    ・両手ハンマー3kg(金槌、又はマイナスドライバーでも可能)
    ・保護具(チェンソーで無ければ不要)
     保護具は、チェンソーを胸より高い位置で使用する場合は、シールド付きヘルメットが必要です。
  • 枯らせる杉の木
  • ・枯らせる杉の木
     樹齢20年~30年の杉の木です。全長10~13m
     太い物は幹の太さが直径40cm程度あります。
  • 巻き枯らしの切込
  • ・切り込みを入れる
     表皮を剥ぐためにチェンソーで切り込みを入れます。
     表皮を剥ぐために深さ1cm程度。
     上下(間は20~30cm程度)それぞれ幹を一回りします。
  • 巻き枯らしの切込
  • ・切り込み2本目
     1本目の下同じように切り込みを入れます。
  • 巻き枯らしの切り口
  • ・縦の切り込み
     表皮を剥ぐための開始位置となる個所に縦に切り込みを入れます。
     大きなハンマーを使用する場合にはなくても作業ができます。金槌等で作業する場合、切り込みがある方がはがし易いです。
  • 表皮を剥ぐ
  • ・表皮を剥ぐ
     表皮が剥がれ出すと表皮と幹の間に手を入れるだけであとは簡単に剥がれます。
  • 剥いだ表皮
  • ・剥いだ表皮
     巻き枯らしの為に剥いだ表皮部分です。形成層の部分できれいに剥がれています。
  • 巻きからしをした杉
  • ・表皮を剥がれた杉
     腰の高さで表皮が剥がれた杉の木です。養分の供給がたたれることで徐々に枯れます。
     表皮を剥ぐ位置が低いほど、根が枯れやすくなります。
     木の根が枯れずに生えてくる場合には、木の根を枯らせる方法 へ
  • 枯れ始めた杉の木
  • ・枯れ始めた杉の木
     5月に実施して、10月の状況です。
     枝先の葉が茶色に変色し枯れ始めています。細い木では、全体が茶色に変色した木もあります。完全に枯れるまで、更に数ヶ月の時間がかかります。
  • 倒木の危険が大きい木の処理
  • ・幹の一部が枯れた木
     巻き枯らしの作業時に発見した腐食がある杉です。巻き枯らしの作業では、枯れている部分の表皮が剥がれないため容易に発見することができます。
     幹の片側が腐って枯れていることで、倒木の危険が非常に大きいため早期に伐採します。
     →倒木の危険が大きい木の処理 へ
  • バール
  • ・バール

     くぎ抜き等と呼ばれるバールです。
     全長45cm程度。長いほうの先端が平らな物です。

  • 表皮を剥ぐ作業
  • ・表皮の間に差し込む

     樹皮と幹の間にバールを押し込み梃子の原理で剥がします。

  • バールの先端
  • ・バールの先端
     バールの先端部分です。バールで起こす様にしながら差し込むとことで表皮を剥ぐことが出来ます。
・枯らした後の処理
 今回の作業による巻き枯らしにより枯らした木は、5年後を目安に伐採により処理を行う予定の木です。表皮を剥ぐ方法での巻き枯らしは、杉に限らず表皮の下に形成層がある植物であればその殆どを枯らせることができます。しかし、わき目等の新たな芽が吹きやすい植物ほど、根が枯れにくい(根が残りやすい)です。
 作業を行っても枯れない場合の原因としては、
 ・形成層が破断していない(一周ぐるりと作業していない)個所がある。
 ・作業を行ってから日が浅い
  見た目に変化が現れるまで4か月以上。枯れるまで6カ月。大きい木では1年以上かかります。気長に待つ必要があります。

・上手く表皮が剥げない場合
 表皮を剥ぐ巻き枯らしは、実施時期がとても重要です。幹が太い木(直径30cm以上)であれば、時季(4~8月)から多少ずれた10月上旬までは作業が可能です。
 それでもだいぶ剥がれ難くなっているため全長45cm程度のバール(大きなくぎ抜きのような物)が必要です。
 形成層の水分が少なくなるほど剥がれにくくなり、冬季等の時季外れではきれいに剥がすこと自体が困難となります。
 写真の皮を剥ぐ作業は、5月に実施したものです。

・木の根が枯れずに生えてくる場合
 巻き枯らし作業を行っても株から芽が生えて枯らせたい時は、木の根を枯らせる方法 へ

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