- 防風林ナビ>木の伐採方法>重心の傾きと異なる方向に伐採する方法(応用編)>伐採方向を45度迄の範囲で変える方法
- 木の重心が傾いている方向に対して45度迄の範囲で倒木方向を変更する時、特別な資機材を用意しなくてもチェンソーでの切込方法による伐採技術で倒木方向を変更することが出来ます。
・主な方法
倒木方向に受け口を作る ⇒ 追い口を入れるとき、ツルが倒木する側に傾くよう厚みを調節する ⇒ ツルを多く残しても倒木出来るよう楔やバールにより人為的に木を傾ける
・重要事項
重要となるのは追い口の深さと角度。これにより残るツルの厚みとツルの角度が、倒木方向に非常に大きな影響を与えるポイントとなります。
・注意事項
ツルを厚く残し、更に木の重心が向く方向からズレた方向に倒木させるため、通常の伐採作業と比較して自重だけでは倒木し難くなります。また、自重により倒木するまで追い口を深く切ると、倒木方向は重心が傾く方向に流れ、倒木方向を調整できる範囲が狭くなります。
・主な使用資機材
・チェンソー ・楔、ハンマー 又は 梯子、ロープ の何れか
伐採方向を45度迄の範囲で変える方法
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・木の重心と倒木させたい方向
木の重心では右側に倒れます。
これに対してやや上方向(重心方向から45度迄の範囲)に倒木させます。。 -
・チェンソーによる受け口
チェンソーを使用し、倒木させる方向に向けて受け口を作ります。
・チェンソーによる追い口
チェンソーを使用し、受け口の反対方向から追い口を入れます。
追い口は、ツルが必要量残るように角度や深さを慎重に調整します。 -
・ツル
チェンソー作業後に残ったツルの部分です。
倒木時、このツルが株(下部)と幹(上部)との傾く軸となる蝶番の役割を果たします。
ツルは左上部を意図的に厚く残しています。
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・倒木作業
ツルに厚みがある。
また、倒木方向が自重により傾く方向と異なり十分な力が働かないため、楔を追い口側に打ち込み倒木させます。
楔の変わりに木の高い位置で倒木方向にロープで牽引して倒木させることもできます。 -
・ツルの働き
倒木する際にツルにより働く張力の強さです。ツルを厚く残した左上が倒木する際に強く働きます。
この左右の厚みに違いにより、幹が左上側により強く引かれることで重心が傾く方向から上方向変わり倒木します。
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