- 防風林ナビ>防風林の手入れ方法>木の上でのチェンソー使用>木の上でのチェンソーの使用(資機材編)
- 高所でのチェンソー使用は地上での作業を比較して大変危険な作業となります。これを可能とるためには、高所作業特有の資機材を使用して作業者の安全を確保することが大切です。
・主な資機材等
・使用するチェンソー
高所での作業では、道具に重量があるとその分体力を消費します。また、反動や重量で体制を崩しやすくなるため、小型・軽量のものを使用ます。また、作業自体は両手で行いますが、片手で持っても重心がとれるトップハンドル型のチェンソーを使用します。
・安全帯
転落を予防するため、安全帯を使用します。
チェンソー使用時に両手でチェンソーを持つため、両手を離すことができるU字型の物を使用します。また、チェンソーやノコギリ等で切断することがないよう、芯にワイヤーを用いた林業用の安全帯を使用します。
・足場
チェンソー使用時に体制を支えれるだけの丈夫な足場を使用します。安定してして支えれれば、脚立。梯子。木登り機。など、種類問いません。しかし、実際に木の傍でチェンソーが使えるだけ足場を安定させる方法は限られます。
安全に使用するには、十分な足場を組む。高所作業車を使う。木登り機を使う以外では、安全対策を多重化しない限り、危険であることには変わりありません。
・脚立を用いる方法
地面での使用では、三脚タイプであればある程度安定した足場を確保できます。
しかし、それでも機械の反動等があるため、登ったときは脚立の全長に対して3分の2程の高さまでしか安定を確保することが出来ません。また、脚立自体が転倒する危険があることから、脚立の固定。補助となる別の足場の確保。安全帯の併用が必要です。
・梯子を用いる方法
通常の梯子では、丸い木の幹に対して安定してかけることは難しいです。このため、林業専用の枝打ちはしごが必要となります。
・木登り機
真っ直ぐに伸びる杉などの針葉樹に限り、木の幹に爪を差す木登り機を使用することが出来ます。
・高所作業車
免許があり、使用可能な立地であればバケット車と呼ばれる高所作業車を使用することができます。
・保護具
・ヘルメットとフェイスシールド
チェンソーを胸の高さで使用するため、ヘルメットとフェイスシールドが特に重要です。
・イヤーマフ
エンジンと顔の位置が近いため長時間作業する場合には難聴対策にイヤーマフが必要です。
木の上でチェンソー使用の資機材
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・使用するチェンソー
ゼノアのこがるミニ
・トップハンドル型
・軽量(全重量2.6kg)
・キックバックが起きにくいカービングバー
更に高所作業の移動用に肩掛けベルトを取り付けたものです。 -
・高所作業用安全帯
写真左:通常の安全帯(一本吊り専用)
写真右:林業用安全帯(U字吊り専用)
林業用はロープにワイヤーが入り切断されません。また、木に巻きつけて作業を行うU字吊の安全帯です。
使い方は、
安全帯の種類と使い方 へ -
・枝打ちはしご
林業に用いられる枝打ち梯子です。
写真は、巴化成「ロッキーラダー2」6m(2m×3本)
通常の梯子と概念が異なり、木の幹に添えて足を掛ける部分を確保するというようなものです。
使い方は、
防風林の手入れ方法>枝打ちはしごの使い方
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・アルミ園芸三脚
写真:12尺タイプ・天板高さ3.62m・全長3.8m
通常使用で安定が確保できるのは上から4段目までのため作業高さ4.3mまでです。
チェンソーを用いる場合、反動等が大きいためこれより低い位置までしか作業することができません。
作業高さは4m未満となります。また、脚立だけの足場確保は危険なため、これのみを足場として使用するには不十分です。チェンソーの取扱でも、脚立を用いての作業は禁止されています。
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・保護具
ヘルメット・フェイスシールド・イヤーマフ一体型。写真は、ハスクバーナのヘルメット一式です。
このほか、長袖、厚手のジャンパー等を着用して怪我を予防します。
高所での足場は、一見安定していても反動により簡単にバランスを崩す場合があります。
チェンソーは反動が大きく、使用時には両足を地上につけて使用するものであることを念頭に、それと同等の安定した足場を確保することが重要です。
・高所でのチェンソー使用
高所でのチェンソー作業は、熟練者が行う作業であり、誤れば死亡事故にも繋がる大変危険な作業です。
熟練者。十分な安全措置(高所作業車等)が無い場合、高所で誰もが使用できると誤解しないで下さい。
※注意
本ページで紹介している作業は、林業の熟練者とともに行っています。チェンソーの使用は、それ自体が取り扱いを誤ると大変危険な作業です。
また、高所等で不安定な姿勢での使用は絶対に行ってはいけません。
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