- 防風林ナビ>木の伐採方法>伐採での切込方法
- 大きな木の伐採では、木の自重を利用して切り倒します。このためのチェンソーの切り込みは大変重要な役割があります。
・受け口
切り倒す方向に作る切り込み。
樹木の空洞部分が出来ることで、受け口側に樹木の自重が偏る。また、空洞部分が幹の支えをなくすことで倒木に対する妨げなくなり倒れやすくなる。
・追い口
受け口の反対側から行う切込。
受け口側に傾いている幹の自重に対して、追い口側は木を引っ張っている。これを切断することで追い口側が開き、木が倒木する。
・ツル
受け口と追い口の間の切らない部分。
ツルのみが倒木の最後まで繋がり、兆番の役割を担もつ。倒木の速度。跳ね上がりを防止する。
左右のツルの厚みを調整することで、倒れる方向の微調整を行う。
追い口・受け口
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・受け口
受け口の大きさ:
・深さ幹の直径の4分の1
・角度約30~40度
底辺を水平にし、斜めに切り込みをいれて切り取ります。※1 -
・追い口1
・受け口の3分の2の高さ
・受け口の反対側から水平に切り込みを入れます。
チェンソーが挟まる危険がある場合は、2回(追い口2)に分けて追い口を入れます。 -
・追い口2
チェンソーが挟まる危険がある場合、追い口1で直径の半分程度まで切り込みをいれ、切り込みにクサビを打ち込みます。その後、追い口を追加します。
クサビは通常2本以上を打ち込みます。
・ツル
幹の直径の10分の1
木の重心が調整できていれば、追い口の途中で木が傾きだします。傾きだしたら中断し、安全な場所に退避します。
チルホール等のウィンチで引き倒す場合は、自重で倒れない程度(直径の10分の3)を残します。※2
・その他
木は重量の傾いている方向。風等れ力が働いている方向やその反動が生まれる方向に倒れます。受け口、追い口は切り倒す方向を調整する重要な要素です。しかし、その倒木する方向を決定的に決めるわけではありません。
重量の傾いている方向以外に切り倒すには、枝を掃う等のバランスの調整。ワイヤー等の資材による牽引が重要となります。
※1 切り込みについて
受け口の切り込み角度は、僅かなずれで倒木方向が大きく変わるため熟練した技術が必要です。傾きや切り口が繋がっていない等により大きな事故に発展する場合があります。※2 ツルの残す量について
樹木の種類によりツルが残り難いものがあります。木の種類によってもツルの量が変わるため注意が必要です。このページで紹介している樹木は杉であることが前提の紹介です。次ページ:チルホールを使用した伐採方法(抜倒方向を変えて伐採する方法)